花と死(前編)
「……」
ヴォルフラムは無言でメニューを凝視している。
「!?」
クラウジアは驚いた。
てっきり、食べないつもりでそっぽを向いているとばかり思っていたからだ。
「ウーッ」
その視線の先は、オムライス。
無意識か、唸り声を上げた。
「………オムライスが食べたいのか?」
不思議そうに疑うような表情をする。
ヴォルフラムは思いっきりしかめっ面をしたものの、頷く。
「可愛すぎか。」
クラウジアは何らかの攻撃を受けたかのようにして、ヴォルフラムを小突いた。
(婿バカ……)
エリミアはクラウジアを見ながら苦笑する。
「私はグラタンがいい。」
クラウジアは、そう言うと店員を呼んで注文した。
暫くすると注文の品が来た。
それぞれ、自分の品を食べる。
真っ先に手をつけたのはシエリアだ。
「おいしー!」
無邪気な笑顔で野菜を食べる姿にエリミアは“よかったね”と微笑む。
そして、クラウジアは横目でヴォルフラムを見る。
手を付けないようならば食べさせようと思ったからだ。
最も、この“食べさせよう”という言葉は、正確には“口に物を押し込んで飲み込ませる”という些か乱暴な行為なのだが。
「ん。」
満足気にオムライスを頬張るヴォルフラムにクラウジアは呆気に取られた。
「ふ、フランが……ちゃんとご飯食べてる!」
感動して、思わず目に涙を浮かべるクラウジアを見て、シエリアも同じように感動した。
「ほんとだ!奇跡だぁ!」
その言葉にヴォルフラムは心外そうにじっと2人を見据えた。
「そんなにオムライスが好きか。」
「……ウーッ。」
“別に。”と言っているが、クラウジアはメモをし始めた。
「言えば作るものを……はっ!もしや……」
クラウジアはもう1つの可能性を見出して、エリミアを見る。
「この人間には食欲増進作用があるのか!」
「ないよ。」
エリミアは真顔で否定した。
「ウーッウーッ!」
唸りながら何かを主張する。
しかし、そんなヴォルフラムを構わずに彼女はグラタンを頬張った。
「うまい。」
クラウジアは率直に感想を述べる。
「……」
ヴォルフラムは話を聞いてもらうことを諦めた。
(別に、この人間の所為ではない。)
エリミアを見て思う。
『………オムライス。』
『流石、鋭いわね。食欲魔人。』
『オムライス。』
『はいはい、出来てるわよ。』
いつのことだったか。
そんな、暖かい日々を思い出す。
ヴォルフラムは無言でメニューを凝視している。
「!?」
クラウジアは驚いた。
てっきり、食べないつもりでそっぽを向いているとばかり思っていたからだ。
「ウーッ」
その視線の先は、オムライス。
無意識か、唸り声を上げた。
「………オムライスが食べたいのか?」
不思議そうに疑うような表情をする。
ヴォルフラムは思いっきりしかめっ面をしたものの、頷く。
「可愛すぎか。」
クラウジアは何らかの攻撃を受けたかのようにして、ヴォルフラムを小突いた。
(婿バカ……)
エリミアはクラウジアを見ながら苦笑する。
「私はグラタンがいい。」
クラウジアは、そう言うと店員を呼んで注文した。
暫くすると注文の品が来た。
それぞれ、自分の品を食べる。
真っ先に手をつけたのはシエリアだ。
「おいしー!」
無邪気な笑顔で野菜を食べる姿にエリミアは“よかったね”と微笑む。
そして、クラウジアは横目でヴォルフラムを見る。
手を付けないようならば食べさせようと思ったからだ。
最も、この“食べさせよう”という言葉は、正確には“口に物を押し込んで飲み込ませる”という些か乱暴な行為なのだが。
「ん。」
満足気にオムライスを頬張るヴォルフラムにクラウジアは呆気に取られた。
「ふ、フランが……ちゃんとご飯食べてる!」
感動して、思わず目に涙を浮かべるクラウジアを見て、シエリアも同じように感動した。
「ほんとだ!奇跡だぁ!」
その言葉にヴォルフラムは心外そうにじっと2人を見据えた。
「そんなにオムライスが好きか。」
「……ウーッ。」
“別に。”と言っているが、クラウジアはメモをし始めた。
「言えば作るものを……はっ!もしや……」
クラウジアはもう1つの可能性を見出して、エリミアを見る。
「この人間には食欲増進作用があるのか!」
「ないよ。」
エリミアは真顔で否定した。
「ウーッウーッ!」
唸りながら何かを主張する。
しかし、そんなヴォルフラムを構わずに彼女はグラタンを頬張った。
「うまい。」
クラウジアは率直に感想を述べる。
「……」
ヴォルフラムは話を聞いてもらうことを諦めた。
(別に、この人間の所為ではない。)
エリミアを見て思う。
『………オムライス。』
『流石、鋭いわね。食欲魔人。』
『オムライス。』
『はいはい、出来てるわよ。』
いつのことだったか。
そんな、暖かい日々を思い出す。