女子力高めなはずなのに
彼女が3杯目のカクテルを頼んだから、これはもう待ち合わせではないと確信した。

それに店内の他の男も彼女に声をかけようとしていたから、さっさと近づいて声をかけた。

「中野さん?偶然ですね」

偶然を装って声をかけると、3杯目のカクテルを飲んだ彼女は既に酔っていた。

それもかなり酔っていて、偶然を装う必要なんて全くなかった。

こんなに弱いくせに、一人で飲んで大丈夫なのか?いや、全然大丈夫じゃない。半分眠ってるし!

会計を済ませ、一人では帰れそうもない中野さくらを家まで送ることにした。
彼女はかなり酔っていたが、ちゃんと自分の住所を言えたし、少しは会話もできた。

ただ、残念なことに俺が誰だか全く分かっていなかった。

今一緒の営業所で働いてるんだけど。ずいぶん前とはいえ、あの営業所にいたんだけど!

……なんかムカつく。

だいたい、彼女はこんな風に一人で酔っぱらって知らない男に送ってもらうなんて、よくあることなんだろうか。

それもなんか、イラッとする。
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