女子力高めなはずなのに
中野さくらは自分で服を脱いだのではなく、本当は俺が脱がせた。


そっとボタンを外す度に、少しずつ露わになる白い肌に我を忘れた。

抱き上げた時、軽いとは思っていたが、中野さくらは本当に細かった。

その儚さにまた胸の痛みを感じて、思わず強く掻き抱いた。耳元で彼女の吐息が聞こえる。

……この状況下で己を抑えろと?

でも彼女は今、意識がない。抱くなら意識のある彼女を抱きたい。目を合わせて大事に抱きたい。

こんな気持ちになるくらいなら、脱がせなければよかった。

……俺はバカだ。服を脱がせるなんて。
一人、猛烈に後悔した。


そういえば、この間は化粧を落としてやったんだっけ。もうこうなったら、本人は嫌かもしれないが、化粧も落としてしまおう。

俺も本来の姿を見せるから、彼女も素の彼女でいてほしい。

化粧もおしゃれも何もしなくていい。一生懸命にがんばるいい子じゃなくていい。

そのままの中野さくらで、俺との時間をスタートさせてほしかった。


コンビニで化粧落としを買う俺。不釣り合いな買い物に、思わず笑ってしまった。

この間使ったのと同じ商品が売っていて良かった。

一度やって要領は分かっていたから、綺麗に落とせたんじゃないだろうか。
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