女子力高めなはずなのに
「さくらちゃん、もしかしてその人に片想いなの?」

急に美鈴さんに言われてドキッとする。

「えーっと……」

こういう時に嘘をつけないバカ正直な私。

「なんだよ、まさかお前!相手は妻子持ちなんかじゃないだろうな!」

「やだ、違うよ!ホントにそんなんじゃないんだって」

ただ単に片想いなだけ。

想えば想うほど辛くなる。

もうこの話題、イヤだよ……。


お兄ちゃんをじっと睨み付ける。

「そんなことより、お兄ちゃん、どうして何度言っても差し歯にしないの?」

「どうしてってお前……、別に困ってないからだよ」

「困ってなくても変だよ!っていうか見た目怖いし。ちょっと見ると歯に海苔付いてる人みたいだよ」

「こうか?こうか?」

振りで言ったわけじゃないんだけど。

そう言ったらお兄ちゃんならきっとやって見せると思った。

前歯に黒々と海苔を張り付けたお兄ちゃん。

これは……!思いのほか笑えるっ!

もうっ!コントじゃないんだからっ!
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