女子力高めなはずなのに
「強く言って傷つけるのが嫌とか思うのかもしれないけど、それは優しさとは言わないよ」

「それは……」

その通りだと思う。

相手を傷つけることも怖いけど、本当は自分が傷つくのが怖い。

私は優しいわけじゃない……。

「傷つけたくないからって何もしない方が残酷だよ」

「うん……」

「何でも自分で抱えようとするからいけないんじゃないの?」

「分かってるよ」

そんなの、分かってる……。

分かってるけど、少しでも人との摩擦があるくらいなら自分で抱えちゃった方がいいやっていつも思ってしまう。

……なによ。

さっきからずけずけと私のこと何でも知ってるみたいな言い方して。

ムカつくな。

図星だから、なおのことムカつく。

「少しは人に頼ることも覚えろよ」

「……」

頼るなんて……。

最も私が苦手とする分野なのに。

人に頼るって、なんだか怖いんだよ。

お兄ちゃん以外の人には。

でも……、この間は井川さんに頼ってしまったけど。

黙ってうつむく私に、追い打ちをかけるように井川さんは続けた。

「とにかく、仕事は一人でやってるわけじゃないんだから。人に頼るのも任せるのも、厳しく教えるのも仕事なんだよ」

「分かってるって」
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