女子力高めなはずなのに
「はい、センセー」

「中野君、復唱がまだだけど、質問かな?」

「はーい。オッサンが残業後に説教してきた時はどーしたらいいんでしょーかー?」

わざと棒読みで聞いてみる。

私は大丈夫だから、言い過ぎたとか思わなくていいって意味でそんな質問したんだけど。

伝わったかな?

井川さんはムムッと顔をしかめた。

「……オッサンの言うことには耳を傾けてあげようね。オッサンは寂しがり屋だからね」

ほお、寂しがり屋と?

じゃあ、次の質問。

「はい、センセー」

「はい中野君」

「セクハラなオッサンが眼鏡をずらしてかけて『直せなーい』とか言った場合は、どのように対処すればいいんでしょーかー?」

またムムッて顔をする井川さん。

ちょっと笑える。

たぶんセクハラに反応したな。

「オッサンには優しく接して、優しく直してあげてくださーい」

「他に方法はないんですかー?」

「ありません!」

「エー?」

「ちなみに、オッサンって言われると秘かに傷つく人いるからねー。男の心はガラスで出来ているんだぞー。あ!ここ重要!マーカー引いておくように」

セクハラじゃなくて、オッサンって言われて傷ついたのか。

最初のムムッもオッサンへの反応だったのね。

もう一度手を上げる。
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