女子力高めなはずなのに
それなのに、じっと見つめてくる槇村さん。

なんだろうと思いつつ、私も負けじと槇村さんを見つめた。

……優しそうな瞳、爽やかな微笑み、スーツ姿も素敵。

やっぱりみんなのアイドルはかっこいい。

それでいて将来は社長さんなんて。

こんなにかっこいい社長さんのいる会社って、どうなの?

仕事にならないんじゃない?

……そんなわけ、ないか。

その未来のかっこいい社長さんが口を開いた。

「中野さん、俺とはタメ口で話してくれないんだね?」

「……エッ?」

そんなことを言われると思っていなくて、目を丸くして首を傾げた。

「井川課長とは普通に喋ってたみたいだったからさ」

「あ……」

さっきの様子、見てたのかな?

そういえば、槇村さんって私と同い年なんだ。

それなのに、なんかつい敬語で話しちゃうんだよな……。

「そんなにかしこまらないで」

槇村さんは静かに距離を詰めると、そっと指で頬に触れた。

突然のことに、目を大きく開いたままガチッと固まる。

「楽しそうに井川課長と話してるのを見たら、俺だって嫉妬するよ」

え?

嫉妬?

……?

槇村さん、私のことお友達感覚で誘ってるわけじゃないの?
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