女子力高めなはずなのに
井川さんは黙って私の手を握ったまま歩きだした。

私の手を引く井川さんの横顔を斜め後ろからそっと見上げる。


……。

……やっぱり、否定できない。

この気持ちを忘れるなんてできない。


井川さんのことが好き。

好きで好きでたまらない。

忘れようとすればするほど惹かれてしまう。


色白やせ眼鏡に恋をするなんて。
色白やせ眼鏡に片想いをするなんて。

本当に一生の不覚だ。


でも、自分の気持ちに抗うのはやめよう。

もう、素直に認めよう。

そう!

私は井川さんが好き。

認めちゃったら気持ちがスッキリしてきた。


目を閉じて繋いだ手の感触を感じる。

井川さん、いったいどういうつもりで私の手を握ってるんだろう……。

やっぱり、誰かの代わりなの?

そうであっても構わない。

手を握られたり、抱き締められたりするのが、誰かの代わりでも構わない。

それでも私は、自分の気持ちに正直でいる方が私らしいんじゃないのかな。

全然前向きじゃないけれど、ある意味すごく前向きな気もするし。

誰かの代わりなんて本当は嫌。

でも、そうしているうちにいつか私の方を向いてくれるかもしれない。

そうやって、私を見てくれるのをずっと待ってるから。
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