女子力高めなはずなのに
「実は……、助けてくれた人がいてね」

『助けてくれた?』

「う、うん。今お父さんを押さえてくれているんだけど……」

『まさかお前、この間の家に来たっていう会社の男か?』

まずいな、お兄ちゃん誤解しそう。

「ん?えっとね、まあ……、そうなんだけど」

困ったなと思って井川さんのことをチラッと見ると、なに?と首を傾げた。

『じゃあ、その男と一緒に待ってろ』

「えっ?いや、交番まで運んでもらったら帰ってもらうから」

『また親父が急に暴れるかもしれないし、そいつに一緒にいてもらえ。絶対だぞ!それに俺はそいつと話がしたい』

「やめてよ、そんな!」

『わかったな?じゃあ待ってろよ』

「あっ!」

お兄ちゃんは一方的に電話を切ってしまった。

どうしよう。

じっとスマホを見つめる。

「お兄さんが俺と話したいって?」

井川さんはニヤッと笑った。

「エッ!」

どうしてわかったんだろう。
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