女子力高めなはずなのに
それにしても、井川さんとお兄ちゃんが話をするなんて、やっぱりありえないよ。

お兄ちゃん、いったいどういうつもりなんだろう。

とにかく井川さんには帰ってもらおう。

「井川さん、本当にありがとう。助かったよ。でも、もういいから帰って」

「いや、一緒に待ってる」

「ホントにやめてよ。お兄ちゃん、なんか勘違いしてるみたいだから」

「いいじゃん別に」

なに、いいじゃん別に、とか言ってんのよ!

勘違いされたら困るでしょ?

私がむくれながら長椅子の端に座ると、井川さんは私の横に座った。

「お前の親父、急に起きるかもしれないだろ?だから一緒にいるよ」

「でもっ」

「そうなったら困るだろ?」

「それは……困るけど」

確かに急にお父さんが起きちゃったら困る。

警察官はいるけど、警察の人に父さんが何かしてもそれはそれで困るし。

なんか、井川さんに頼りっぱなしだな……。

「お前、兄貴がいるんだ?他に兄弟は?」

「ううん、いない」

「ふーん。お前、兄貴と仲良さそうだな」

「うん!まあね」

私は微笑んでうなずいた。
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