女子力高めなはずなのに
「どんな兄貴?」

「んー……私が元気ない時に、歯に海苔付けて笑わせてくれる人、かな」

「はぁ?」

ムムッ!
バカにしてるな?

井川さんだってそんなに大差ないくせに。

「眼鏡斜めにずらしてかけるのと同類だよ!」

井川さんは上を見上げた。

「……まあ、そうだな」

「ンフフッ」

思い出してつい笑ってしまった。

「何笑ってんだよ」

「思い出したから」

「兄貴を?俺を?」

「どっちも」

そう言うと井川さんもフッと笑った。

その時、長椅子に置いていた私の右手の小指に、井川さんの左手の小指が触れた。

ドキッとして電流が走ったみたいにビクッとした。

どうしよう。

まだ指は触れたまま……。

一瞬手を引こうかなと思った。
でも、このまま気がつかないふりをすることにした。

だって、少しでも井川さんに触れていたい。

井川さんだって、気がついているはずなのにそのままにしてるし……。

こんなちょこっと触れるだけでドキドキするなんて、私ってホントに子どもだ。

小さくため息をついた。
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