女子力高めなはずなのに
「兄と妹、仲良いなんていいじゃん。お前、ずっと兄貴に守られてたのか?」

井川さんは小指が触れていることなんて、全然関係ないみたいに話を続けた。

だから私も全然関係ない素振りで普通に話を続けた。

「子どもの頃はそうでもなかったよ」

「それにしてはお前、親父に対して弱すぎるだろ。兄貴に守られてたからじゃないのか?」

「なんて言ったらいいのかな……。小学校まではお父さんと一緒に住んでて、その後お兄ちゃんと一緒に暮らしてたの」

「ふーん」

井川さんは前を見たまま興味なさそうに言った。

そうだよね、私の話なんて興味ないよね?

別に面白い話じゃないもの。

「で?」

「……えっ?」

井川さんの「で?」の意味がよく分からなかった。

「それから?」

「それからって?」

「親父とどんなふうに暮らしてたの?兄貴とはどんなふうに暮らしてたの?」

「……」

井川さん、私の話なんて聞きたいの?

興味、あるの?

「いや、話したくないならいいんだけど」

「……そういうわけじゃないけど、面白くないし」

「面白い話だとは思ってないよ」

「うん……」

井川さん、私に興味を持ってくれている?

少しは私を見てくれてる?
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