女子力高めなはずなのに
中野さくらには兄貴の話はしたけれど、兄貴と殴り合いの大喧嘩をしたことは話さなかった。怖がられるの嫌だし。
でも、彼女の兄貴には何かがバレた。話をしようとか言って殴ってくるからいけないんだ。
だいたいお兄さん、見た目がヤバいから!
彼女の兄貴は清楚な中野さくらとは似ても似つかない、全く別世界の住人だった。
お兄さん、お仕事は何をしていらっしゃるんですか?
上下黒のスウェットに、冬なのにサンダルをつっかけて。首もとにはチラチラ見える金のネックレス。眉毛はなくて、少し髭を生やしていて、夜なのに薄い茶色のサングラスかけてるし。
この類いの人とは今まであまり関わったことがなかったから、自分でも得意なのか不得意なのか全く未知数だった。
でも、この怖い兄貴に愛されて育ったから、今の中野さくらがあるんだよな……。ちょっと複雑。
事前に中野さくらから、お兄さんは歯に海苔を付けて笑わせてくれる人だと聞いていたから、一瞬見た時、歯に海苔付いてる?って思ったけど、よく見たら歯が欠けているだけだった。
危うく吹き出しそうになったけど、必死でこらえた。笑ったら間違いなく殺される。
「なんでアイツが泣いてんだよ?」
お兄さんは喉元を噛み砕く勢いで聞いてきた。
「俺の身の上話に同調してくれたみたいです。彼女、優しいですね」
本当はどうして彼女が泣いたのか分からなかった。だから俺が適当な嘘をつくと、彼女の兄貴はふーん、という顔をして俺をじっと見た。
「お前、結婚してんのか?」
は?何の話だ?
でも、彼女の兄貴には何かがバレた。話をしようとか言って殴ってくるからいけないんだ。
だいたいお兄さん、見た目がヤバいから!
彼女の兄貴は清楚な中野さくらとは似ても似つかない、全く別世界の住人だった。
お兄さん、お仕事は何をしていらっしゃるんですか?
上下黒のスウェットに、冬なのにサンダルをつっかけて。首もとにはチラチラ見える金のネックレス。眉毛はなくて、少し髭を生やしていて、夜なのに薄い茶色のサングラスかけてるし。
この類いの人とは今まであまり関わったことがなかったから、自分でも得意なのか不得意なのか全く未知数だった。
でも、この怖い兄貴に愛されて育ったから、今の中野さくらがあるんだよな……。ちょっと複雑。
事前に中野さくらから、お兄さんは歯に海苔を付けて笑わせてくれる人だと聞いていたから、一瞬見た時、歯に海苔付いてる?って思ったけど、よく見たら歯が欠けているだけだった。
危うく吹き出しそうになったけど、必死でこらえた。笑ったら間違いなく殺される。
「なんでアイツが泣いてんだよ?」
お兄さんは喉元を噛み砕く勢いで聞いてきた。
「俺の身の上話に同調してくれたみたいです。彼女、優しいですね」
本当はどうして彼女が泣いたのか分からなかった。だから俺が適当な嘘をつくと、彼女の兄貴はふーん、という顔をして俺をじっと見た。
「お前、結婚してんのか?」
は?何の話だ?