女子力高めなはずなのに
「どうかな?」

「あ、えっと、は……」


ガランッ!ガッシャーン!!


私が「はい」と言おうとしたところで、突然けたたましい金属音が鳴り響いた。

振り返った途端、足元に勢いよく金属製のバケツが転がってきて、思いっ切りくるぶしにガツンと当たった。

その痛さに思わずしゃがみ込む。

しかも床に水がこぼれていて、しゃがみ込んだら手が濡れた。

「いったーい!」

「ああっ!すみません!大丈夫ですか?」


大慌てで走って来たのはヨレヨレなスーツを着た冴えない男だった。

コイツ……、確か今年異動してきた業務課の男だな。

さっきも奥の方にいたような……。

グレーなんだけど、ねずみ色と表現したくなるようなヨレヨレぐだぐだのスーツ。

なんなのよ、もう!

「すみません、足に当たりましたよね?大丈夫ですか?あっ、手が濡れちゃいましたね?服は大丈夫ですか?」

質問しつつ矢継ぎ早に次々と喋るんじゃない!

答えられないじゃないの!
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