女子力高めなはずなのに
……。

今、キス、した?

なんか、よく分からなくて、言われている言葉も分からなくて、首を傾げてキョトンとした。

するといきなり手のひらが覆ってきて、目の前が真っ暗になった。

驚いて目を閉じる。

「目を閉じて、俺のことだけを感じて」

「!」

すぐにまた、柔らかく唇が重なった。

……触れる弾力が、すごく優しい。

何度も密着して、離れそうになって、でも離れなくて、またくっついて。

そっとなぞられるとくすぐったくて、気持ちいい。

もっと、もっと触れてほしい。

甘えるように体を寄せたら、キスをしたまま腰から力強く抱き寄せられた。

その勢いでもっと大胆なキスになって。

どんどん深くなって、何も考えられなくなる。

まるで柔らかく食べられてるみたい。

頭がふわふわしてしまう。

引きずり込まれるように夢中になって、優しいけど激しく求められているのを感じる。

求められていることが、それを受け止めることが嬉しくて、気持ちよくて幸せで、胸がキュンと痺れすぎてもう力が全然入らない。

どのくらいキスしていたんだろう。

すごく長い時間に感じた。
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