女子力高めなはずなのに
「可愛いって言われると赤くなるの、ホントに可愛いな」

そんなに何度も連発して可愛いなんて言われると、ドキドキしすぎて目まいがする。

この人誰?

本当に井川さん?

あれれ?
そういえば……。

「眼鏡かけてない……」

「うん」

まさか、追いかけて来た時からそのつもりだった?

「最初からキスするつもりだったの?」

「はあ?……お前って面白いくらいバカだな」

「エッ!?」

あれ、違った?

「そんなわけないだろ!追いかけようと思って外に出たら、眼鏡が曇って見えなくなったからはずしたの!」

あ、そういうことか。

……眼鏡が白く曇った井川さん。

想像するとちょっと面白い。

「ンフフッ」

「なんだよ、想像して笑ったのか?眼鏡曇ったとこ」

「うん」

「そんなの、そのうちいつでも見られるから。その時見たら笑ってくれ」

「……うん」

いつでも見られるなんて。

いつもそばにいられるみたいな……。

そばにいられる?

井川さんのそばに?

見上げて手をギュッと握ったら、井川さんもギュッて握り返してきた。

私が思ったこと、分かってくれたかな。

そんなやり取りも、なんだかキュンとしてしまう。
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