女子力高めなはずなのに
まだ薄暗い早朝に目が覚めた。

井川さんはまだ寝てる。

まつ毛、長いな……。

やっぱり寝てると無防備な少年みたい。

そっと黒い髪に触れた。

大好き。

どうしてこんなに好きになっちゃったんだろう。

……片想いじゃなくて本当に良かった。

遠くから見るだけじゃなくで、こうして触れることができて、本当に良かった。

抱き締められたら、井川さんの想いが流れ込むように伝わってきて、すごく嬉しかった。

私のことが好きなんだって、強く強く伝わってきた。

本当に幸せ。

幸せすぎて涙が出てくる。

私は井川さんの心に寄り添えるのかな?

井川さんの孤独、少しは和らぐかな?

涙がこぼれて鼻をすすったら、パッと目が開いてびっくりした。

「……泣いてるの?」

手が伸びてきて、頬に触れた。

「どうして泣いてる?」

心配そうな瞳。

違うの、そうじゃないの。

「……幸せすぎて、涙が出てきたの」

布が擦れる音と一緒に腕が伸びてきて、抱き寄せられた。

「幸せ?」

「うん」

「俺も幸せだよ」

井川さんを見上げた。

「少しは孤独じゃなくなる?」

井川さんは不思議そうに目を大きく開いた。
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