女子力高めなはずなのに
「孤独?全然孤独じゃないよ。さくらが一緒にいてくれるなら、もう煙草もいらない」

「え?そうなの?」

「フラれた腹いせに吸ってただけだから」

そうだったんだ……。

言われてみたら、確かにそのタイミングだったかも。

「……かわいいね」

頭を撫でようと手を伸ばそうとしたら、強く抱き締められて阻止された。

「俺は可愛いとかじゃなくていいんだよ」

「だって、かわいいじゃん」

私が微笑んだら井川さんも微笑んだ。

「俺、孤独に見えた?」

「ううん、そうじゃなくてね。話を聞いて孤独なのかなって思ったの」

「そっか」

「それで、私が井川さんの孤独を少しでも癒せたらいいのにって、思ったの」

「……お前は本当に可愛いな」

「……」

また、可愛いと言われてしまった。

「可愛くて明るくて優しくて。お前はここにいるだけで輝いてる。ふて腐れた俺のことまで照らしてくれる。お前は俺の光だよ」

そこまで大袈裟なことを言われるとは思わなくて、まばたきをして目を丸くした。

「……なに、それ?」

「んー、癒されてるってこと、かな」

「……うん」

癒されてるなら、良かった……。

だって、私は普通に、当り前のように、ここにいるだけ。

私にとっても、井川さんが普通に当たり前のようにここにいてくれれば、それだけで十分だから。

互いに普通に一緒にいるだけでいいなんて。

本当に幸せ。
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