女子力高めなはずなのに
私が手を洗うと男はスッとハンカチを出した。

「どうぞ」

「あ、どうも」

あら、気が利くのね。

ぺこっと頭を下げてハンカチを借りながら、じろじろと男を観察する。

色白で、痩せてて、黒縁眼鏡をかけている。

色白やせ眼鏡。

コイツの名前、なんだっけ?

目立たない業務課の男。

「足は大丈夫でしたか?」

色白やせ眼鏡がスッとしゃがんだから、びっくりして身を引いた。

「こら、触るな!」

「そんな、触るなんてとんでもない。もう痛くありませんか?」

「たぶん、大丈夫」

「良かった」

色白やせ眼鏡はにっこりと笑った。

もー、なによコイツ。

全然悪いことしたって思ってなさそう……。

せっかくのお誘いだったのに、とんでもない邪魔が入ったな。
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