女子力高めなはずなのに
憮然とした顔をしてハンカチを返すと、色白やせ眼鏡は嬉しそうに受け取ってポケットにしまった。

「お怪我がなくて、なによりです」

にっこり笑ってそう言うと、雑巾を手にひっくり返したバケツを拾って床を拭き始めた。

なんか一人で拭かせるのもかわいそうだなーと思って、私も雑巾を持って近づいた。

「あ、せっかく手を洗ってもらったのに」

そういえばそうだった。まあ、いいや。

「いいよ、手伝うよ」

なんか、さっきから向こうは敬語で私はタメ口なんだけど、明らかに色白やせ眼鏡の方が年上だな……。

ま、いっか。

二人で拭いたら、あっという間に終わった。

「すみませんでした、ぶつけた上に手伝ってもらっちゃって」

「まあ、こういうことはお互い様だから」

そう言いながらもう一度手を洗ったら、またハンカチを貸してくれた。

「どうも」
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