女子力高めなはずなのに
俺に合わせているのかと思ったら、そうではなくさくらは自分の親父のことを心配しているようだった。「お酒の席にはまだ呼べないと思うんだ。飲んじゃいそうだから。でも、お父さんだけ呼ばないわけにもいかないし」

なるほど。あの親父は別に呼ばなくてもいいような気はするけど、さくらがしなくていいなら俺はむしろ披露宴なんてやりたくない。

「披露宴はしないつもりなんです。良くないでしょうか?」

さくらは緊張して黙っているのかと思ったら、意外と普通に宗像さんに話しかけた。

「いや、そんなことはないよ。大丈夫。君たちのやりたいようにやりなさい」

宗像さんはにっこり笑った。

その笑顔を見たら、宗像さんには再三伝えてきたが、もう一度宣言しておこうと思った。

「今日はさくらを紹介するために来ましたが、それだけじゃなくて、母に家を継がない意志をきちんと伝えようと思っているんです」

「そう」

それだけ?意外とあっさりした返事だな。

「まあ、僕からは何も言えないよ。奥様にもお考えがあるようだから、直接話してみればいいんじゃないのかな」

奥様のお考えね……。この感じだと俺からさくらを引き離すようなことはしないのか?

宗像さんなら母親の考えは間違いなく知っているだろうし、不都合があれば内容を教えてくれなくても忠告くらいはしてくれそうだ。
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