女子力高めなはずなのに
いつまでたっても槇村さんの周辺は人口密度が高くて近づけず、私は同じく近づけないでいる理恵とずっと喋っていた。

要領のいい愛ちゃんは、業務課女子を押しのけてちゃっかり槇村さんの横に陣取っている。

さっすが!

ここまでくると、その要領のよさにただひたすら関心してしまう。

見ると槇村さんのゴツい腕時計を自分の細い腕にはめて「すごーい、槇村さんの時計、大きーい!ぶかぶかー」とか言って、上目遣いで振ってみせてる。

ぶりっこ、出たー!

あれ、二十歳くらいの頃に一度だけやったことあるな……。

一度やってみたら自分でもなんだか恥ずかしくなってしまい、あれから一度もやってない。

そんな恥ずかしい昔話を理恵と話しながらジンジャーエールを飲んでいたら、スッと横に人が座った。

え?

あれ?

槇村さんっ!!

「中野さん、なかなかお話しできないから来ちゃったよ」

うっそ!

すごい!

本当に横に来てくれた!

「あれ?お酒は飲まないの?」

「え?あ、はい……」

信じらんない!

嬉しすぎて、ドキドキして、ただまばたきすることしかできない。
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