女子力高めなはずなのに
「今あるだけよこせ!」
怒鳴り声を聞いたら、一気に感覚が子どもの頃に戻ってしまう。
恐怖で痺れて、頭がうまく働かない。
「今いくら持ってんのか聞いてんだ!」
「……そんなに、持ってない」
「いいから出せ!」
分かっていたはずなのに。
改心したんじゃないかなんて、本当に私はバカだ。
分かってたはずなのに……、それでも一瞬望んでしまった。
変わったんじゃないかって……。
「……1万円しかない」
「本当か?」
「ほんとだよ」
お父さんは差し出したお札をむしり取って握り締めるとすぐに立ち去っていった。
階段を降りる音を聞きながら、急いで扉に走り寄って鍵を閉め、その場にうずくまった。
自分の甘さが悔しくて、壁に当たった頬が急に痛くなってきて、涙がボロボロ出てきた。
まだ、酒臭い空気が残っているような気がして、息を吸うのも嫌になる。
私は本当にバカだ。
悔しい。
悲しい。
ぽたぽた落ちる涙も嗚咽が止まらなくて、うずくまったままシクシクしばらく泣いた。
怒鳴り声を聞いたら、一気に感覚が子どもの頃に戻ってしまう。
恐怖で痺れて、頭がうまく働かない。
「今いくら持ってんのか聞いてんだ!」
「……そんなに、持ってない」
「いいから出せ!」
分かっていたはずなのに。
改心したんじゃないかなんて、本当に私はバカだ。
分かってたはずなのに……、それでも一瞬望んでしまった。
変わったんじゃないかって……。
「……1万円しかない」
「本当か?」
「ほんとだよ」
お父さんは差し出したお札をむしり取って握り締めるとすぐに立ち去っていった。
階段を降りる音を聞きながら、急いで扉に走り寄って鍵を閉め、その場にうずくまった。
自分の甘さが悔しくて、壁に当たった頬が急に痛くなってきて、涙がボロボロ出てきた。
まだ、酒臭い空気が残っているような気がして、息を吸うのも嫌になる。
私は本当にバカだ。
悔しい。
悲しい。
ぽたぽた落ちる涙も嗚咽が止まらなくて、うずくまったままシクシクしばらく泣いた。