女子力高めなはずなのに
その日は結局ノムさんと夕食もご一緒してしまった。

ノムさんは私をさくらちゃんと呼ぶようになって。

こんなに長く一緒の会社で働いていたのに、今さら仲良くなるなんて、面白いこともあるな。


家に帰ってゆっくりお風呂に浸かった。

結果的には、まあ、良かったのかも。

槇村さんのことはどうなるかわからないけど、向こうから声をかけられたら遠慮なく行かせてもらおう。

約束通り、私から槇村さんに声をかけたりはしないし、そもそも声をかける勇気ないし。

そこまで興味もないのかも……。


心に決めた人、か。

井川さんの心に決めた人ってどんな人なんだろう……。

私に自分のワイシャツ着せて、すっげー可愛いなんて言ってたくせに。

……なんか、なんか。

なんかちょっと傷ついてる、私……。

私、槇村さんのことで舞い上がっていたんだよね?

それなのに、井川さんが心の中に入り込んでくる。

あの真剣な瞳。
忘れられない。

でも、井川さんには好きな人がいるんだから……。

忘れよう。
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