不安すぎて



「行かせる訳ないだろ」


 その言葉の直後、唇に押し付けられた柔らかい感触に驚いた。私の心を落ち着かせようとする優しいキス。


 でも、最後に下唇を少し強めに吸われた。


「ちょっと痛い……」


「お仕置きだ。まったく、俺の言い分を聞いてから責めろよ」


 お仕置きと言いながらも、私を抱き締める腕は優しい。


「いいか? あれは、小山が村田を嫉妬させようとして、わざとやってたんだよ。あの二人は付き合ってて、ケンカしたんだと」


 予想もしなかった言葉に、私の涙もさすがに止まった。


 店長と愛理が付き合ってる?


 そんなの初耳だ。





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