ヒミツの空間
冷たい壁に身体を預けるようにして息を殺し、身を潜めた。
けれど、意識は鬼よりも俊也くんにばかり集中してしまう。
背中越しに伝わる気配に、悲鳴を上げる心臓。
静まり返った書類庫の中で、その音が俊也くんに聞こえやしないかと気が気じゃなかった。
次第に足音が遠のいていく……。
「……行ったみたいだね」
この状況に耐え切れなくなった私は
「二人で隠れるより、一人の方がいいから」
なんていう、最初の“一人じゃ怖い”というセリフを覆すことを言って、ドアノブに手を掛けた。
そして、ドアを開けようとしたときだった。