裏腹王子は目覚めのキスを

「せ……」
 
自分ではっきりわかるほど、頬が燃えた。
とたんに居心地が悪くなって、わたしは肩を縮めた。

「うぅ……セクハラ」
 
トーゴくんの顔を見られずにうつむくと、低い声で「ばか」と言われた。

「真面目に聞いてんだよ」

「真面目にって……」
 
こんな話、真面目に聞いてこなくていいよ。
 
黙り込んで態度で示そうとしても、トーゴくんは追求の手を緩めようとしない。

「あいつ、男性機能がダメなわけ? お前、それでいいの?」

「け、健太郎くんは悪くないよ。わたしが――」
 
思わず答えてしまい、あわてて口を結ぶ。

「……お前が、なに?」

「……っ」
 
正面から見つめられ、わたしはふたたび顔を伏せた。

全身をめぐる血液が沸騰したみたいに熱い。
気まずくて、今すぐ逃げ出したかった。
 
どうしてこんな話になったんだろう。

ちらりと目を上げると、真剣な顔つきのトーゴくんとまともに視線が合ってしまい、急いで逸らす。

「……言えよ。言うまで聞き続けるぞ」

「うう……」
 
低い声に首をすくめた。
 
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