裏腹王子は目覚めのキスを
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翌日の土曜日、明け方まで眠れなかったわたしはいつもより朝寝坊をした。
ここ最近快晴が続いていたのに、今日に限って窓の外には分厚い雲が垂れ込めてる。
テレビで天気予報を確認し、わたしは実家に帰る準備を始めた。
トーゴくんの部屋も片付いたし、もうここに留まる理由はない。明日、別れを告げて、ここを出る。
もともと荷物は少ないから、荷造りは簡単に済みそうだった。キャリーケースに着替えを詰めて、あとは化粧品やら細かいものを押しこんでしまえばいい。
今日は出かけたついでに実家や隣のおばさんに渡すお土産を買ってこようかな。
考えながら手を動かして午前十時を過ぎた頃、トーゴくんが起き出してきた。
「どこ行くか決まったか?」
目の下にクマを浮かべてあくびをする彼は、よく目が覚めたなと感心してしまうくらい疲れて見える。
「トーゴくん、大丈夫……?」
「ああ、平気」
答えながらも、あくびは続く。ダイニングの椅子に腰かけると、彼は凝り固まった筋肉をほぐすように寝ぐせ頭を大きく回した。