レインボーマジックイン!

放った炎は見事に伸びていた手を断ち切った。


霧が密集して出来上がった手は粉砕し、拘束されていた紫苑は、少年から遠い位置まで投げ飛ばされた。

紫苑は呼吸が乱れていて血の気を失った状態になっていた。


「紫苑!! 大丈夫!?」

虹子奈の近くにいた澄桃は、その場にペタンと座り込んでいる紫苑に駆け寄る。

「う、うん…大丈夫…回復もしなくても大丈夫だから…」


「何いってんの、回復しなきゃダメに決まってるじゃん! 顔真っ白だよ?」

そう言われ、紫苑は自分の顔に手を当てた。ひんやりと雪のように冷たい感覚があり、びくっと体を震わせた。

「…回復お願いします…」


渋々紫苑は肩をすくめ、言うことを聞かなくなっていた足を何とか動かし立ち上がった。


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