極妻
「……朔夜ァ?」


「そうや!なぁ兄ちゃん聞いて、朔夜がな、うちのせいで…」


「もうええ小夜子!もうええよ、終いや、こんな結婚」


「…え?終いて?」


尊兄ちゃんは鬼塚さんに背を向けると、私に向き直った。


「お前、命狙われたそうやないか。そんか危険なところにおいておけんわ。当たり前やろ。一緒に関西に帰るで。この結婚は破談や。エエな?鬼塚?」


「そんな一方的に…」


あまりに突然のことで言葉が出ない。やっぱり夢やろか?


尊兄ちゃんが来てくれただけで嬉しいのに、破談やなんて!兄ちゃんと一緒に帰れるなんて!





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