極妻
それは、良かったんやけど……


なんか意識が戻ってから旦那さんに避けられてる気がする。


もしかして、命がけで私を助けたことを、照れくさいんやろかって思ってたけど。どうもそうやないらしい。


屋敷でもあまり顔を合わさんし、口をきく機会もほぼない。


人は死にかけると人格が変わる…なんて聞いたこともあるけど、朔夜がなにを考えてるのか、よう分からん。


ただ時間だけが過ぎてく…


こんな日々は不毛や!旦那さんと話さな!何のために東京に残ったのか
分からん!


尊兄ちゃんの気持ちを、無下にして……。


こうなったら……。


朔夜が退院して10日が過ぎたある日、私はある場所で待ち伏せをすることにした。


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