極妻
「それともソレを俺にも向けるか?小夜子が死に、俺も死ねば、お前にも組長のイスが転がって来るかもな?」


「……ッ!!」


背筋が凍るような微笑を浮かべる旦那さん。そんなこと言うて、鬼塚さんがホンマにその気になったらどうするんや!?


けどそれは余計な心配やったらしい。


鬼塚さんは、私たちに向けていた銃口をゆっくりと自分のこめかみにあてた。


「アカンなにする気っ!!!?」


『死んでもらう』なんて、いくらなんでも鬼塚さんやで!?冗談やろ!?


何で私のためにそこまで言うん!!!?


「はやまったらアカンよ!!何も死ぬことないやん!?朔夜冗談なんやろ!?」


「小夜子は黙ってろ。これはうちの組の問題」


「うちかて正式に離婚するまでは御劔組の人間やろ!」


「ばーか。正式もなにも最初から婚姻届なんか出してねーし」


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