二十年後のクリスマスイブ
拓真は表情を陰らせながら新井に話した。
「…………」
新井は言葉を出せなかった。自身も妻を病気で亡くしているだけに余計に拓真の心情を汲み取っていた。
「貴方は本当にお父さんに良く似てきました…容姿も性格も若い時とそっくりになって…ここ迄、見守る事が出来て母さんは幸せです。この病気は私の宿命なのよ…お父さんに拓真と三人で暮らせた十八年に悔いは無い、本当に幸せな時間でした………拓真もこれからの自分の人生、好きな様に後悔は残さないように毎日を生きて行きなさい。 お父さんが言っているように明日、いや一秒先に死んでもいいという今を大事にする生き方をね!………お父さんの言った事に間違いはないわ…私は、お蔭で笑顔で天国へ行けるの…お父さんは、そこに居る?……」
「ああ……」
「拓真が立派に育ったのは貴方のお蔭です……今迄、本当に有難う!でも、最後に本音を言うと本当は貴方に心から愛されたかった…あの立派な指輪を嵌めて貰いたかったな…待っているんでしょ。彼女は貴方の事を?……きっと罰が当たったのね。律子さんに告げ口したのは私だから………神様はちゃんと、見てるのね………御免なさい……愛してるわ…あ・な・た…」
「…………」
新井は言葉を出せなかった。自身も妻を病気で亡くしているだけに余計に拓真の心情を汲み取っていた。
「貴方は本当にお父さんに良く似てきました…容姿も性格も若い時とそっくりになって…ここ迄、見守る事が出来て母さんは幸せです。この病気は私の宿命なのよ…お父さんに拓真と三人で暮らせた十八年に悔いは無い、本当に幸せな時間でした………拓真もこれからの自分の人生、好きな様に後悔は残さないように毎日を生きて行きなさい。 お父さんが言っているように明日、いや一秒先に死んでもいいという今を大事にする生き方をね!………お父さんの言った事に間違いはないわ…私は、お蔭で笑顔で天国へ行けるの…お父さんは、そこに居る?……」
「ああ……」
「拓真が立派に育ったのは貴方のお蔭です……今迄、本当に有難う!でも、最後に本音を言うと本当は貴方に心から愛されたかった…あの立派な指輪を嵌めて貰いたかったな…待っているんでしょ。彼女は貴方の事を?……きっと罰が当たったのね。律子さんに告げ口したのは私だから………神様はちゃんと、見てるのね………御免なさい……愛してるわ…あ・な・た…」