二十年後のクリスマスイブ
老婦が桐人の席に移動して、立ち上がった桐人と騒がしい盤面を擬視した。リーチの場面は続き、まだ確定はしていないが二人には何故か確信があった。
「多分、此処には、もう来ないと思うから…」
「そうなの?…寂しくなるけど、貴方は此処に居る人じゃないと何処か、感じていたわ…」
「メリークリスマス…」
盤面に大きく777が3つ並んだのを確認して桐人は笑顔で一言残し、場を去った。
「不思議な人…何故か、いつも側に居るだけで安らげていた気がする…」
その後、桐人の残した台は老婦は、もちろん店も驚く程、当たり続けて閉店を迎えた。
「私は神様と居たのかも知れない。そうでしょ?おじいさん…」
老婦がパチンコ屋を後に呟くと空からは、冷たい風の中ちらほらと白いものが舞い降りだした。
「待ち人と上手く逢えましたか?出した玉は、恵まれない子供達に寄付しますね。メリークリスマス…今迄、ありがとう」
桐人との短い間の出会いと別れだったが、いつの間にか幸福感で満たされていた事に気付いての感謝の言葉を一言呟き老婦は家路についた。
時は、二十三時を回っていたが当の桐人は〈南風〉には、まだたどり着いていなかった…
「多分、此処には、もう来ないと思うから…」
「そうなの?…寂しくなるけど、貴方は此処に居る人じゃないと何処か、感じていたわ…」
「メリークリスマス…」
盤面に大きく777が3つ並んだのを確認して桐人は笑顔で一言残し、場を去った。
「不思議な人…何故か、いつも側に居るだけで安らげていた気がする…」
その後、桐人の残した台は老婦は、もちろん店も驚く程、当たり続けて閉店を迎えた。
「私は神様と居たのかも知れない。そうでしょ?おじいさん…」
老婦がパチンコ屋を後に呟くと空からは、冷たい風の中ちらほらと白いものが舞い降りだした。
「待ち人と上手く逢えましたか?出した玉は、恵まれない子供達に寄付しますね。メリークリスマス…今迄、ありがとう」
桐人との短い間の出会いと別れだったが、いつの間にか幸福感で満たされていた事に気付いての感謝の言葉を一言呟き老婦は家路についた。
時は、二十三時を回っていたが当の桐人は〈南風〉には、まだたどり着いていなかった…