ニンゲン釣りゲーム
腐っているのは、明白でこんな水を飲んだら、あっという間にあの世行きだろう。
鼻がゆがみそうな悪臭に楓は吐きそうになり、顔をそむけた。

すると壁の隅になにかの山ができており、気になった楓は近づいてみた。
隅の方は、光が完全に届いておらず、わずかに薄暗い。

なにかが積み重なっている……?

楓は目を凝らして、それを見た。
すると山がグラリと揺れ、足元に何かが転がって来た。

コツンと楓のつま先に当たったそれは、人間の頭部のガイコツだった。
ポッカリとあいたふたつの穴が、うらめしそうに楓を見ているようだ。




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