ニンゲン釣りゲーム
さらに、なにかが底の方でうごめいている……。
ロープほどの太さをした長細い生き物がピンッと伸びたり縮んだりという単調な動きを繰り返していた。

――これは、なにかの幼虫だと気付いた楓の全身に鳥肌が立つ。

気味の悪い動きを繰り返す幼虫は、楓の手のひらくらいの大きさで、まるでラーメンの麺のようにおびただしい数がうごめいていた。


「うああっ、気持ち悪ぃ」と大和がブルブルと震えている。

「これは、とても飲めそうにないな……」

うでを組んだ歩が、冷静に言う。
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