ニンゲン釣りゲーム
「翼くん、助けて……会いたいよ……」

朱莉は大粒の涙を流しながら、何度もそう繰り返す。

――なんで?
ちさとは、その姿を見ながら、ぎゅっと拳をにぎりしめる。

――なんで、たかが何日か付き合っただけの彼氏なんかに助けを求めるの? 会いたいの?
私がいるじゃない!
私は、ずっと前から朱莉と一緒にいたじゃない!
いつだって、私たちはふたり一緒だったのに。
朱莉の中で、私は1番じゃないの……? そんなのイヤ――絶対にイヤ。
私の1番は、朱莉だけなのに……。

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