交わらなかった平行線。

ーRyouta Sideー






初めて会った時…

泣きじゃくる君を見てるのが

凄く辛くて。



気づいたら

彼女の手を取ってた。



『涼太ーお腹減ったーごはんー』



あの日から俺達は

兄弟のように日々を過ごした。



彼女の踊りには

人を笑顔にする

不思議な力があった。



俺でも4年かけて手に入れた前列を

半年で手に入れて

2年でセンター争いに入ってきて

今日

とうとう兄を抜いた…。




『…俺、いつあいつに越されるかな』

『なに、怖いの?てか今日越されてしまった俺の前でそれ言う?』

『スミマセンデシタ…』



怖い訳ではない

怖いと言うよりは…


ライバルができて嬉しい。
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