色気のない僕ら
ため息は俺たちの間にぎごちない空気を連れてくる。
そのため息に彼女はどんな勘違いしたのか、慌てたように首を振った。
「違うの!」
「こっちこそがっつきすぎた。ごめん」
たしかにがっつきすぎた、と若干反省しつつ俺は彼女から距離を取ろうとした。
でも彼女は俺を離してくれなかった。
「なんだよ」
「違うんだって!」
「なにが?」
「し、したくないんじゃ…ない、の…」
「はい?」
彼女の意図が掴めない。
じゃあなんで?
あの流れはそのまま雰囲気に乗っかって…ってやつじゃねぇの?
それとも俺の勘違いかよ。
だから聞いたじゃねぇか。
“俺のこと好きなの?”って。
モヤモヤとしたものが俺の中に広がってきたとき。
彼女が言葉を発した。
「は、腹…」
「は?」
「腹巻してるの…っ!」
はい?
腹巻?
彼女の言葉に頭がついていかない俺に。
真っ赤な顔した彼女は言葉を続けた。