君とみた蒼空
「詩音! お前の好きなロールケーキ、買ってきたぞ!」
私が玄関に行くと、お父さんがただいま、も言わずにそう言った。
「えっ、本当? やったぁ」
「よかったわね、詩音。デザートにみんなで食べましょ」
お母さんが、お父さんから袋を受け取って冷蔵庫にいれた。
駅前にすごくおいしいケーキ屋さんがあって、そこのロールケーキはたまらなくおいしいんだ。
「ほら、お父さんも着替えてきて。もうご飯できたわよ」
私は、この家族の温かさが大好き。
みんなで笑い合って、一緒にご飯を食べて。
幸せだな、ってつくづく思う。
「いただきまーす!」