君とみた蒼空
歩実、蒼くんと始めて喋った日から一週間後。
あれから歩実、蒼くんとはよく話すようになった。
蒼くんは本当に人懐っこくて、もうすでにクラスの人気者になっている。
歩実と蒼くんの喧嘩はやっぱり面白い。
私が帰ろうと廊下を歩いていると、うしろから歩実が走ってきた。
「詩音! あのさ、これ……蒼のバスケのシューズなんだけど。詩音、体育館まで届けてくれない?」
「うん、いいよ」
「ごめんね。私、今すぐ職員室に行かないといけなくて………」
歩実から渡された黒い袋には、蒼くんのものと思われる靴が入っていた。
これ、バスケで使うのかな………。
「じゃあ、詩音! よろしく!」
そう言うと、歩実は走ってどこかへ行ってしまった。
私は蒼くんにシューズを届けに体育館へ向かった。