君とみた蒼空
奈津ちゃんとは、あの日以来喋ってないけど………前、廊下ですれ違ったときに睨まれたような気がした。
「詩音さん」
聞き覚えのある声がして振り向くと、そこにいたのは奈津ちゃんだった。
私よりも背が高くて、ストレートな黒髪が風になびいてる。
「蒼と関わらないでって、言ったでしょ」
やっぱり、そのことか。
「あなたは、蒼のことが好きなの?」
私がこくりと頷くと、奈津ちゃんは黙って俯いた。
舞は、何も言わずに私の隣で固まってる。
「なんで、蒼くんと関わったらいけないの?」
私の問いに、奈津ちゃんは顔を上げた。
「………それは、私も蒼のことが好きだからよ」