君とみた蒼空
ここが歩道の真ん中だと言うことも忘れて、私たちは三人で突っ立っていた。
「…………蒼は、幼なじみだけど………“好き”とだけは言えない」
ライバルだけど、彼女が言うその気持ちはなんとなく分かった。
「そんなときに、あなたと蒼が出会って………蒼に、好きな人ができた」
え…………。
それが、この前言っていた蒼くんの“好きな人”なのかな…………。
「蒼は、あなたのことが好きなんだよ」
奈津ちゃんのまっすぐで悲しげな瞳は、紛れもなく私に向けられていた。
「だから、悔しくて………。ずっと蒼を支えてきたのは私なのに、どうして蒼は私の方を向いてくれないんだろうって」