君とみた蒼空



「心臓病だ」


少し間をあけてから、お兄ちゃんは静かに言った。



「今回は、今までの喘息の発作とは訳が違って…………検査をしてみたら、心臓病だった」



お母さんが、信じられない、といったような顔をしていた。



お父さんが、そんなお母さんの肩に手をのせる。



「とりあえず、三週間は入院だ。ひどくなったら入院が延びる場合もある。そうならないために、安静にしておくように」


そして、お兄ちゃんは部屋を出ていった。



「大丈夫だ。絶対に治る」



そう言い残して。



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