多重人格者【完結】
誰だよ?
暗くてあまり見えない。
目を凝らして見ると、それは草野だった。
「おっさん、今からやろうとしてる事は犯罪だよ?」
草野は親父の肩を掴んだまま、睨みつける。
親父は弁解しながら、そそくさと逃げて行く。
その滑稽な親父の後ろ姿を見ながら、アタシは腕を組みながら言う。
「あ~あ。
逃げちゃった。
アタシのストレス発散が」
「……カンナか?」
「何だよ、どっちでもいいだろ。草野。
つか、こんなとこまで着いてきてお前、アタシのストーカー?
まじでキモイ」
「……何しようとしてたんだよ」
「関係なくねえ?話す必要はない」
草野はギリっと唇を噛み締めて、視線を伏せた。
アタシはそれを見ながら、はあっと溜め息をつく。