サクラと密月
「はじめまして。恵介さんの彼女さんですよね。」
口の中に入れた食べ物を手でふさいで挨拶を返す。
そんなことはお構い無しで、彼は話を続ける。
すると、恵介の同僚の人が話に加わってきた。
「おい、恵介の大事な彼女にちょっかい出すなよ。」
あーこの人もできあがってるわ。
二人で顔を見合せて笑った。
赤い顔の同僚が和彦の隣に、お酒を持って座った。
「こいつも彼女がいるんですよ。」
その言葉に彼が話を付け足す。
「そうなんです、でも上手くいってなくて。おれ女性の気持ちわからないんで。
どうしてですかね。」
ちょっと、今それ聞いちゃう?
しかも初対面の私に?
「そうですね、でも私も男性の気持ちよ良くわからないかも。」
ああ、なんて曖昧な返事なのかな。
ところが、彼も酔っているのかまだ話を進めてきた。
しかも少し愚痴混じってるよ~。
「ああ、お酒ないですね。良かったらこれどうぞ。」
て、そっち?
「おい、幸せな人にそんなこと聞いてどうすんだよ!」
「すいません、こいつこんなんで、こまってるんですよ。」
いや、別にそれはいいんですが…
一応恵介の顔を見てお祝いししてあけしてあげたかったんだけど、まだ囲まれている。
そんな表情を読まれたのか
「恵介さん、凄いですね、俺営業の仕事初めてだから、わから分からないこと多くて、
凄く助けられてます。」
彼を誉めらるのは少し嬉しい。
お礼をいう。
「俺だって助けてるだろう!!」同僚の彼が絡む。」
和彦は笑って謝り、お酒を注ぐ。
「お前はそんなんだから、彼女と上手くいかないんだよ。」
すみません、て同僚さんそれあんまり関係ないと思うんですが。
「ですかね、そうですかね。」と、困った顔。でも、なんか違う。
…なんだ酔ってるんだ、続けたいのね。
私は笑って二人を見ていた。
楽しそうだなと思った。