「私は貴方のモノ」【完結】
「…っ」
「抱かせろ」
上気した頬。潤んだ瞳。
相変わらずの、その表情。
どうしたって煽られる。
普段は女らしさのカケラもないくせに。
どうして、こういう時だけ妙な色気を発揮するんだ。
俺を沈みこませたタエは泣きそうな顔で俺を見つめる。
合間に甘い息を漏らしては、顔を歪めた。
「お前は俺のモノだ」
返答はない。
でも、関係ない。
お前は俺のモノだ。
それ以外あり得ない。
これから先、ずっと。
何度もタエの中で果てた俺は、横になるとすぐに眠りに就いていた。
タエは俺を受け入れている。
だけど、それはきっとそういう環境に俺がしたからだ。
タエが望んだ事ではないんだ。
……わかってるのに、何でこんなに苛立つのだろうか。