「私は貴方のモノ」【完結】


「彬さん、お願い」

「タエは俺のモノだ。お前には関係ない。
用ってそれだけ?なら話す事もうねえし、行くわ」

「ちょっと!」

「……」



陽子は玄関に向かう俺の後を追い掛けて来る。
後ろでごちゃごちゃと叫んでいるが、どうでもいい。


靴を履き、玄関のドアノブに手をかけた時だ。



「絶対、多恵があんたを好きになる事はないんだから!」



そうやって、陽子が言った。


その瞬間、俺は陽子の腕を掴むとダンっと壁に体を打ち付ける。
ギリギリと強く手首を握り締めた。


恐怖に染まった顔。
身動き取ろうともがくけど、男の力には敵わない。



「……あんま騒ぐと犯すよ」

「……っ」


そうやって、至近距離で囁いてやると、陽子が息を呑む。
微かに震える手。
< 112 / 219 >

この作品をシェア

pagetop