「私は貴方のモノ」【完結】
こいつが、タエの好きな男ってヤツ?
男の背中に隠れたタエを見るけど、俯いたまま顔を青くしている。
「…知らないなら言うけど。
そいつは俺のモンなの」
こう言ったら、きっとタエはわかる筈だ。
お前は俺のモノだと言う事を。
従順なペットなら。
「はあ?多恵はモノじゃねえ!」
そんな男の言葉なんて、俺の耳には届いていない。
「来い、タエ」
スッとタエに手を伸ばすと、タエはゆっくりと顔を上げて俺を見る。
それから、一歩一歩前へと足を踏み出して俺の手を取った。
タエの名前を叫ぶ男に、タエは一言。
「ごめん」
そう言った。