「私は貴方のモノ」【完結】
驚きながら振り向いたタエは、俺を見て更に目を丸くしていた。
そして、段々と怯えた表情に変わって行く。
……さっきはあんなに笑顔を見せてたじゃないか。
心はスーッと冷えて行く。
「……ど、う、し」
動揺でタエは言葉が回らないらしい。
俺がどうしてここにいるのか、そう問いたいのに出ないみたいだ。
ぐいっと引っ張り、強引に連れて行こうとするとその俺の腕を誰かが止めた。
「ちょっと、いきなり何ですか?」
そう言った人物は、さっきタエの頭を撫でていた男。
中世的な顔立ちのその男は、俺をキッと睨みつける。
別にお前と話す事なんてない。
そう思って、またタエを連れて行こうとしたらぐいっとタエの腕を引かれて、その男の後ろに隠された。
横には別の男二人。
さっきよりも顔を険しくすると、その男は低い声を出した。
「お前、何なんだよ」
「……はあ、めんどくせ。そいつ返せ」
一度、髪の毛を掻き上げるとその男を見つめた。
だけど、その男はタエの前から動こうとはしない。